毎日のケアにヘアオイルを使っていませんか?乾燥が気になる季節になると髪に静電気が起きやすい方も多いのではないでしょうか。毎日のヘアケアにヘアオイルも使っているという方は、もしかするとヘアオイルが乾燥の原因かもしれません。今回は、なぜヘアオイルが静電気の原因となるのか詳しくお伝えしていきます。
静電気が髪の毛に与える影響
乾燥が気になる季節になると起こりやすいのが静電気。指先では一瞬のことかもしれませんが、髪の毛に与えるダメージはとても大きく、侮ることはできません。静電気が起こると髪の毛はどうなってしまうのか、解説していきます。
静電気が起きる原因
髪の毛の乾燥によって起こる静電気の原因は、髪の毛の潤い不足(水分量の低下)です。
髪の毛は湿度が60%以下になるとパサつき始め、静電気が起こりやすくなります。電気製品だけでなく、人もプラスとマイナスの電気を持っています。通常、プラスとマイナスが同じ数だけあれば静電気が起こることはありません。しかし、髪の毛の水分量が少なくなり摩擦が起こるとプラスイオンを帯びやすくなり、電気の数を同数に戻すために、パチッと静電気が走るのです。
静電気が髪の毛に与えるダメージ
実はあの一瞬の静電気でも、身体から4,000~5,000Vが放電されており、場合によっては20,000Vの雷に匹敵することもあるくらい静電気の威力は大きいです。4,000~5,000Vの静電気が身体を流れることで、髪の毛にも大きなダメージを与えます。静電気が与えるダメージとは、髪を覆っているキューティクルが破壊されてしまう恐れがあること。乾燥しやすい季節は1日に何度も静電気が発生することがありますよね。静電気が発生する度に髪の毛にも影響が加わり、キューティクルの破壊をより進めてしまいます。
実はヘアオイルが髪の毛に良くなかった?
髪の毛の乾燥を防ぎ、濡れ髪などのトレンドな質感を作ってくれるスタイリング剤として注目を集めているヘアオイル。しかしヘアオイルは、髪の毛の乾燥を防ぐどころか、髪の毛の乾燥を進めてしまうことを知っていましたか?ヘアオイルがなぜ乾燥を進めてしまうのか、静電気とどのような関係があるのか、これらの理由を説明します。
髪の内部が栄養不足でスカスカな状態に
ヘアオイルの特徴として髪の毛に蓄積しやすい特徴があります。髪にオイルがついている状態では、シャンプーやトリートメントなどに含まれている栄養分や水分が浸透しにくいです。
なぜならオイルを使っている髪の毛は、オイルが髪をコーティングしてしまい、栄養分や水分を弾いてしまうからです。そのため栄養分や水分を補うことができない髪は、パサつきや乾燥を起こしやすくなります。また、ヘアオイルがキューティクルから髪の毛の内部に入り込むことにより、髪内部の水分を追い出してしまうのです。髪の栄養分は水分とくっついているため、栄養分も一緒に出てしまう可能性もあるのです。これらの理由から、髪の毛の内部がスカスカな状態になります。
熱を吸収しやすなる
熱は髪の毛にとって大敵です。熱によって髪内部のたんぱく質がたんぱく変性を起こし髪のダメージとなります。たんぱく質以外にも、熱は髪の毛にダメージを与えます。例えば髪に高熱が加わると、キューティクルが熱で溶けたり剥がれたりします。キューティクルの剥がれた部分から栄養分や水分が流出しつづけている状態となり、より乾燥を進めてしまいます。油分は水分よりも熱を吸収しやすい性質があるため、ヘアオイルを使用している髪はさらにキューティクルに熱によるダメージが与えられます。ヘアオイルが入り込んでしまった髪の毛は、ドライヤーやヘアアイロンの熱を吸収してしまい、熱によるダメージをより受けてしまいます。熱を必要以上に吸収してしまった髪の毛は、キューティクルが破壊されて、いっそう乾燥を進めてしまいます。
ヘアオイルが静電気を起こすメカニズム
髪の毛のダメージと静電気の関係性や、毎日使っているヘアオイルがダメージを加速させている事などがお分かりいただけたと思います。
それでは、ヘアオイルと静電気はどのように関係するのでしょうか。ヘアオイルが静電気を起こしやすくなる理由を説明します。
髪の毛が乾燥する
↓
静電気が発生
※乾燥した髪の毛(水分不足)は、静電気が起きやすい
↓
静電気はキューティクルを剥がしてしまう
↓
キューティクルが剥がれた髪の毛はより乾燥する
↓
ヘアオイルが髪の毛の乾燥を進める
↓
髪の乾燥が進んだ髪はさらに静電気が起きやすい
※はじめに戻る
このように、ヘアオイルを使用することで髪の毛の乾燥を進めます。
乾燥を加速させることでさらに静電気の発生を引き起こし、髪の毛へダメージを繰り返すという負のサイクルが成り立ちます。
はっきり言ってしまうと、ヘアオイルでヘアケアはできません。ヘアケアどころかヘアオイルを使用することで、ヘアオイルだけでなく静電気のダメージも加わり、髪のダメージは深刻化してしまいます。ヘアオイルを使用することによって、さらに髪の毛のダメージを大きくしてしまうのです。
毎日のヘアケアを見直そう
毎日のヘアケアでオイルを使っている方は特に、この機会に毎日のヘアケアを見直してみましょう。髪の毛の主成分であるアミノ酸や水分をキープすることができる保湿成分を含んだヘアケア剤を使用することで、髪の乾燥を防げます。ヘアオイルを使用しなくても、まとまりのある髪の毛に導くことができます。
シャンプーの見直し
普段なんとなくシャンプーを選んでいませんか?シャンプーはアミノ酸系がおすすめです。アミノ酸は髪と同じ成分なので、洗いながら髪に栄養を送り込むことができます。そのため、アミノ酸系シャンプーは頭皮と髪への負担を減らしてしっかりと洗うことができます。
しかし、一般的に流通しているアミノ酸系シャンプーの中には、アミノ酸の成分があまり含まれていないものがあります。アミノ酸の成分は多ければ多いほど効果が出るため、アミノ酸が主成分となるシャンプーを選ぶようにしましょう。注目すべきポイントは『量』よりも『濃度』です。いくらアミノ酸がたくさん入っていても、髪を洗いながら栄養補給することはできません。
アウトバストリートメントの見直し
アウトバストリートメントも、髪の毛の主成分であるアミノ酸や保湿成分であるヒアルロン酸が高配合されているものが良いです。洗い流さないトリートメントでさらに髪の毛に栄養分を補うことで、髪の毛はさらにまとまりやすくなります。またアウトバストリートメントは、ドライヤーの熱から髪を守り、ブラッシングの際の髪の毛の絡まりを軽減してくれる効果があります。洗髪後の髪の毛は特にデリケートですので、アウトバストリートメントでしっかり整えてあげましょう。
ドライヤーを正しく使う
お風呂からあがったらドライヤーで髪を乾かしましょう。しかし、長時間ドライヤーを使用すると、髪の毛がパサつく原因になります。髪の毛の乾かしすぎた状態をオーバードライと言います。オーバードライは、髪の毛の内部に必要な水分まで乾かしてしまい、髪内部が脱水症状を起こします。オーバードライを防ぐポイントは、温風だけでなく冷風も使用することです。温風と冷風を使い分けることで、ドライヤーが髪の毛に与えるダメージを軽減することができます。
ドライヤーである程度髪の毛が乾いたら、ドライヤーをストップして指で髪の毛を触ってみましょう。この時、指に水分がつかなければ乾いている証拠です。少しでも濡れているように感じても、髪を触って指が濡れていなければ、髪内部に必要な水分がある良い状態です。指に水分が付く場合は、再度ドライヤーをかけましょう。
ヘアブラシ
普段どんなブラシを使っていますか?毎日使うヘアブラシは、毛質にこだわりましょう。ヘアブラシは天然100%の猪毛がおすすめです。天然毛のブラシは静電気が起こりにくく、ブラッシングをすればするほど髪の毛のキューティクルが整います。発生した静電気はキューティクルを剥がすだけでなく、ホコリやチリを寄せ付け頭皮の環境を悪くさせてしまうことがあります。静電気を起こしやすいナイロン製のブラシを使っている方は特に注意が必要です。髪の毛のことを考えるのであれば、天然毛100%のヘアブラシを使ってみましょう。
乾燥が気になる季節もこれで静電気知らず!
良かれと思って使っていたヘアオイルが、実は髪の毛にダメージを与えていることを知らなかった方も多いのではないでしょうか。本来、髪の毛を作る成分の中にオイルのような油分は含まれていません。ヘアオイルを使わずとも、髪の毛の乾燥を防ぎ潤いを保つことは十分可能です。ヘアオイルを使っている方は、ぜひこの機会にヘアオイルを卒業してみませんか。