もうすぐ梅雨の季節…。梅雨の時期になると髪が広がり、思い通りのヘアスタイルにならず、悩む方も多いのではないでしょうか。
ヘアスタイルが決まらないと憂鬱になり、ジメジメした空気とともに気持ちまで沈んでしまうことも。
プロである美容師に、梅雨の季節のヘアスタイルの対処法について聞いてきました!梅雨でも理想のヘアスタイルにしたい方、必読です。
質問者さんのヘアカルテ
髪の基本情報
・毛量が少ない
・髪が細い
・生まれつきクセ毛がある
・髪にダメージが見られる
髪のお悩み
梅雨の季節は、普段よりも髪の毛のボリュームが出てしまう。髪がまとまらずスタイリングに時間がかかるのをどうにかしたい。
普段おこなっているヘアケア
・毎日のシャンプーは一般のスーパーで購入し、香りが良いものを使用
・髪のボリュームを抑えるために、出かける前にヘアオイルでヘアケアをおこなっている
・ドライヤーの熱ダメージが気になり、髪は自然乾燥させている
梅雨に髪が広がってしまう!毛量を減らすのは得策?
Q.梅雨前には、髪をすいたりレイヤーを入れてボリューム対策をおこなうことがあります。なぜ、髪をすいてもボリュームが出てしまうのでしょうか。
A.髪をすいたりレイヤーカットの仕方でボリュームを抑えることはできますが、全ての方に有効な方法かといえば実は違います。質問者さんの髪質では、髪をすいてもボリュームを抑えることは難しいかもしれません。
Q.なるほど…。髪の毛をすけばボリュームは抑えられるかと思っていました。
A.髪の毛をすいてボリュームを抑えられるのは「毛量が多い」「髪の毛が太い」方です。髪の毛の量も普通、髪の太さも普通や細めの方がレイヤーを入れてしまうと、逆に毛先が軽くなりすぎて広がりやすくなるので気をつけないといけません。
自分の毛量を知る方法とは
自分の毛量が多いのか、太いかってなかなか素人ではわからないですよね。素人でもわかる判断基準を聞いてきました!
A.髪の毛の量が多いか少ないかは美容師の経験から判断することがほとんど。また、これといった基準も実はありません。
ただ、私たちも現場でやることが多いのですが、髪の毛をひとつに束ねてみて、毛束のサイズが1円玉からそれ以下であれば毛量は少ない、500円玉近くあれば毛量があるとお伝えすることが多いですね。
ボリュームが出る原因は人によって違う!原因に合った対策を
Q.毛量が多く髪が太い方は、髪をすくことでボリュームが落ち着くことがあることは理解しました。私の毛束は1円程度だったので、反対に毛量が少ないです。だから、髪をすいてもあまり効果がなかったんですね。
私のように髪をすいても、ボリュームを抑える効果があまりないタイプはどのような対策を行えばよいのでしょうか?
A.そうですね。髪をすいてもボリュームが出る原因について解説します。原因は大きく分けて2つ。
髪にダメージがある、生まれつきくせ毛であることです。
質問者さんの髪質を見る限り、顔周りにクセ、中間から毛先にかけてダメージがみられます。
なので、梅雨時期になると広がりやすいのではないでしょうか。
毛量も多いわけではなくどちらかといえば細い方なので、レイヤーを入れてしまうと逆に膨らんでしまうかもしれませんね。人によって、髪質やボリュームが出てしまう原因はそれぞれなので、原因に合わせた対策をおこなうことが大切です。
梅雨対策にパーマや縮毛矯正は有効?
Q.なるほど。ボリュームが出る原因は人それぞれ違うわけですね。素人ながらに、ストレートパーマや縮毛矯正をかけた方が楽だと思ってしまいます…。
A.確かにスタイリングは楽になりますが、髪の毛のダメージのことを考えるとオススメできません。質問者さんはすでにダメージがある状態なので、縮毛矯正やパーマなどをかけるとさらにダメージが進んでしまいます。縮れ毛などのヘアトラブルに発展してしまう可能性があります。
どんな髪質の方にも有効!ヘアケアを見直してみて
Q.髪のダメージが進むのは困りますね。縮毛矯正などの施術をせず、すいても髪のボリュームが抑えられる効果がでない場合、どのような対策をおこなうと良いのでしょうか。
A.まず、普段のヘアケアを見直すことが大切です。
抑えてほしいポイントは、シャンプー、アウトバストリートメント、ドライヤーの3つです。それぞれのポイントについて詳しく紹介します。梅雨の時期以外にもヘアトラブルの軽減につながるので、ぜひ実践してみてください!
ポイント①シャンプー
アミノ酸が主成分、ヒアルロン酸が高配合のシャンプーを使ってみてください。
アミノ酸は髪の毛と同じ成分で、髪の毛を洗いながら栄養を補給することができる優れものです。ヒアルロン酸は、保湿力が高く、多くのスキンケアアイテムに使われている成分。お肌同様、髪内部に水分がたっぷりある状態をキープしてくれます。
ダメージ毛で梅雨で髪が広がる理由は、髪の水分が減少しているためです。
ダメージ毛の多くは、髪を覆うキューティクルが剥がれたり傷つくことで、水分や栄養分が流出し続けます。そのため、水分と栄養分を補給できるシャンプーを使用することで、毎日補給し続けましょう。十分に水分がある髪は、湿気の影響を受けにくく、梅雨でもまとまりやすいです。
ポイント②アウトバストリートメント
お風呂上がりの髪のケアをしていない方は多いです。しかし、お風呂上がりのケアはとても重要。お風呂上りの濡れた髪は、キューティクルが傷つきやすくなっています。ドライヤー前にアウトバストリートメントを使って、キューティクルを守ることが大切。アウトバストリートメントは、別名洗い流さないトリートメントともいいます。
アウトバストリートメントもシャンプーと同じように、アミノ酸とヒアルロン酸が配合されているものならGOODです。
髪の毛を保護しながら栄養を与えてくれるすぐれものです。
最近はアウトバストリートメントの代わりにヘアオイルを使われている方も多いのですが、ヘアオイルはダメージを進めるため、お勧めできません。髪のボリュームを抑えるために、ヘアオイルを使っているとのことでしたが、ヘアオイルが原因で髪のボリュームが出ている可能性があります。
油は水をはじく性質を持っていますよね。
ヘアオイルも同じで、髪にオイルがついていると水分を弾いてしまいます。結果、シャンプーやトリートメントで水分や栄養を補おうとしても、補給することができず弾いてしまいます。
水分や栄養分を補うことができない髪の毛は、さらにダメージが進むため、ヘアオイルの使用は避けたほうが良いでしょう。
ポイント③自然乾燥はNG
自然乾燥をしている方は、髪にボリュームが出てしまう原因につながるため、ドライヤーで髪を乾かすようにしましょう。髪は乾かす過程で癖がつきます。ドライヤーで髪を乾かすことで、ボリュームは抑えられ、扱いやすくなります。
髪の乾かし方
ボリュームを抑えられる髪の乾かし方を聞いてきました!
ドライヤーは毛の流れに沿って上から下へ風をあててください。
乾かしたい部分、毛の流れを作りたい部分をしっかり定めてドライヤーをあてるのがポイント。
あと、広範囲で風が当たってほしくない部分に風があたらないようにするためにも、ドライヤーのノズルは外さないこと。
また、温風のみでドライヤーを使用すると髪の毛の乾かしすぎに繋がるため、温風と冷風を交互にあてて乾かしてみてください。
乾いたかどうかのポイントは、髪の毛を触った時に指に水分がつかなければOKです。
少し湿っているように感じても、水分が手につかなければちょうどよい状態で乾いている証拠です。
スタイリング剤は髪の表面ではなく内側に
Q.ヘアケアについて教えていただき、ありがとうございました!普段のヘアケアでもボリュームが抑えられるんですね。ヘアケア以外にボリュームを落ち着かせる方法などあれば教えてください!
A.ご紹介した方法である程度髪の毛がまとまり落ち着くはずですが、湿気が心配なときはヘアクリームやソフトワックス(クリームタイプ)を使ってみると良いでしょう。
ただ、スタイリング剤には多少なりともオイルが含まれているものが多いので、できればあまり使用しない方がいいですね。
実は、このときスタイリング剤の代わりにもなるのがアウトバストリートメント。
クリームタイプのアウトバストリートメントなら、気になる広がりを抑えてくれるので、梅雨の時期の髪の毛も落ち着きます。
ポイントは、アウトバストリートメントを付けるときは、表面ではなく内側の髪に上から下へなでつけるように塗布すること。
表面だけにつけると広がってきてしまうことがあるので、内側から必ずつけるようにしてください。手のひらに残っているアウトバストリートメントは、髪表面をなでるようにつけてみてください。
わからないことや不安なことを聞きたいことがあれば、遠慮せず美容師にどんどん聞いてみてくださいね。