ヘアケア

パチパチ困る…髪への静電気ダメージの大きさと効果的な対策4選

冬の髪の大敵、静電気。 あの髪が「パチッ!」っとなる現象、経験がありますよね?たかが静電気とあなどってはいけません。実は、想像以上に髪へのダメージは大きいのです。

この記事では、静電気が髪に与えるダメージや、静電気から髪を守る方法をお伝えします。

静電気のメカニズムとは?

わたしたち人間を含め、世の中のあらゆるものは、プラスとマイナスの電気を持っています。

通常は、プラスとマイナスが同じ数だけあり、プラスでもマイナスでもない状態、つまり「電気を帯びていない」状態にあります。しかし、摩擦や刺激が起きると、どちらかに力が加わりバランスを崩します。これが静電気です。

静電気を帯びている状態というのは、電気バランスが悪いため、何かが触れるとバランスを取り戻そうとして「パチッ!」と放電します。静電気のメカニズムは、このようになっています。

静電気が発生するメカニズム

静電気の発生は空気の乾燥も関係します。乾燥すると表面にある水の分子が少なくなり、物自体の帯電量が増え、静電気が発生しやすくなります。そのため、夏より冬のほうが静電気が起きやすいのです。

なぜ髪にも静電気が起きるの?

髪の毛が静電気を帯びる原因は、髪の乾燥です。

身体もそうですが、例えば、お風呂上りすぐはセーターを着ても静電気は起きません。それは身体が水によって保湿されているからです。ところが、時間が経ち、水分が減少すると静電気が起きやすくなります。衣類と体がこすれることにより静電気を帯び始めるからです。

髪も同じようなことが言えるのですが、髪の場合は、乾燥すると髪自体がこすれあうことで静電気(プラスイオン)を帯びてしまいます。髪が濡れていたり、潤いがあると静電気は起きません。つまり、根源は髪の水分不足=ダメージです。

静電気が起こる乾燥連鎖のトライアングル

静電気の威力を知っていますか?

静電気を帯びた状態で物に触れ、「パチッ!」っとなった瞬間というのは、どの程度の電流が流れるか知っていますか?

なんと、身体から4,000V~5,000Vもの静電気を放電しています。高い時では200,000Vにもなり、カミナリに匹敵します!

この高圧な静電気を放電する時、髪のキューティクルを破壊する危険があります。つまり、「パチッ!」っとなるたびに髪が痛むということです。それを一日に数回、場合によっては数十回も繰り返しています。

これでは空気が乾燥する冬の間、ずっと静電気と共に髪のダメージに苦しまないといけませんよね?

髪の静電気対策4選

では、髪を静電気から守るためにはどうしたらいいのでしょうか?

髪に静電気が起こる根源はヘアダメージです。主な原因は、髪の水分・栄養不足。

特に冬は、髪や頭皮のコンディションが乱れがちになります。乾燥や静電気、寒さによる血行不良など、髪の生育を妨げる悪条件がいっぱいだからです。

乾燥が激しい髪・傷んでキューティクルが剥がれている髪がこすれあうことで静電気が起きます。そして、静電気により更に髪が傷みやすくなる、という悪循環に陥るのです。

つまり、静電気対策はヘアダメージの根本的な改善が効果的ということ。具体的な4つの対策をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

シャンプーを見直す

シャンプーは、アミノ酸系でかつ、ノンシリコンを使うようにしましょう。それらを謳っていても、髪がきしむようなものはNGです。

アミノ酸は、髪のもとです。アミノ酸が豊富なシャンプーは、いらない汚れを取り除き、必要な栄養や潤いは残します。人間の頭皮や髪と同一成分なので、負担がかからず健康な状態の弱酸性に整えてくれます。

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アウトバストリートメントを見直す

お風呂上り、髪に何もつけずにそのままにしていませんか?

洗ったばかりの髪をそのままにしていることは、服を着ず裸でいるのと同じことです。髪を洗った後は、髪の主成分が不足している状態なので、少しの刺激でもダメージにつながります。シャンプー後にきちんと保湿することがとても大切です。

シャンプーなどで流れ出たアミノ酸やヒアルロン酸、タンパク質などを補う必要がありますので、それらが配合されたアウトバストリートメントを使いましょう。

「お風呂上りの髪にヘアオイルを付けているから大丈夫!」と思ったあなた。要注意かもしれません。そのヘアオイル、本当に意味がありますか?こちらの記事も参考にしてみてください。

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また、ヘアセット前にもアウトバストリートメントをつけることも大切です。その際は、トリートメント成分が髪内部に浸透しやすいように一度髪を濡らしてからつけるようにしましょう。

髪の乾かし方を見直す

タオルドライとドライヤーの工程で髪を傷つけていませんか?

まず、タオルドライは必ず行ってからドライヤーをかけはじめましょう。その際は、ゴシゴシこすらないようにします。頭皮を傷つけたり、キューティクルが壊れる原因にもなるからです。髪をポンポンとタオルに優しく押し付けるようにして、余分な水分を取りましょう。

ドライヤーは、髪をブロックにわけて乾かしていきます。乾かしすぎはダメージの原因になるためです。

ヘアブラシとブラッシング方法を見直す

髪をとかした瞬間、静電気の影響で「バチバチ!」っとしたり、髪が逆立ったという経験はありませんか?

この解決策としては、ブラシの毛が天然猪毛や天然豚毛など、天然100%のものを使うことが有効と言えます。

天然100%のブラシには、適度な油分と水分があるので静電気をおさえ、髪にツヤを出す効果もあります。特に猪毛は、くせ毛の方におすすめです。硬めで張りがある毛質なので、毛先までしっかりとかすことができ、キューティクルも整いやすいという特徴があります。

また、ブラッシングは、まず毛先をほぐしてから徐々に後頭部をとかしていくと、摩擦を防ぐ対策になります。もつれを直そうと力任せにとかすのは絶対にやめましょう。

キューティクルも閉じて静電気知らず

静電気の原因を知ってヘアケアしよう

髪に静電気が起きるメカニズムは、毛髪内部の水分量が不足することです。

つまり、ヘアケアの基本である乾燥対策を普段から行い、髪内部を潤しておけばいいのです。普段から髪に潤いを与えキープすることで、静電気が起きずダメージからも守ることができます。

今日から、しっかり乾燥対策、はじめてみませんか。

ABOUT ME
【監修者】山本 幹雄
エスアイシーグループ 代表
美容師、美容学校教諭を経て自身の美容室を開業。髪に悩むお客様の要望に応えるため、商品開発にも取り組み、エスアイシーグループを設立。