空気が乾燥する季節になると、気になる肌の乾燥。実は髪も、肌以上に潤いを奪われています。しかし肌に比べて、髪の乾燥対策をしている方は少ないのでは?
髪の乾燥はトラブルを引き起こす美髪の大敵!しっかりと潤いケアをしないと、パサつきや、切れ毛、枝毛などが増える恐れがあります。
この記事では、髪が乾燥する原因やダメージ、髪の潤いケアのポイントについてお伝えします。
ポイントはキューティクル!髪の乾燥を招くメカニズムとは?
髪の乾燥のメカニズムを理解するために、まずは髪の構造やキューティクルの役割について紹介します。
髪の構造
髪は中心部にたて繊維のメデュラ、中間層にはメデュラを取り巻くコルテックスがあり、表面をキューティクルが覆う構造となっています。
お寿司のかんぴょう巻きをイメージするとわかりやすいでしょう。メデュラがのり巻の中心となるかんぴょうの部分、コルテックスがシャリ、キューティクルはそれらを包み込むのりに相当すると考えてください。
のりが剥がれると、シャリはこぼれ出してしまいますよね。髪も同じように、キューティクルが剥がれるとコルテックスを構成するタンパク質や水分などの成分が抜け出してしまうのです。
コルテックスは髪の約90%を占める部分で、強い髪を作る大切な役割を果たしています。つまり、乾燥によってキューティクルが剥がれコルテックスが傷つくことは、髪のダメージに直結するのです。
静電気に要注意!キューティクルを破壊する乾燥スパイラル
髪の乾燥がやっかいなのは、静電気を招いてキューティクルを破壊する恐れがあるからです。
乾燥している時に髪を触って、パチッという静電気の刺激を感じた経験はありませんか?実はこのパチッとなる瞬間の放電量は、通常でも4千~5千V、高い時には2万Vにもなるといわれています。2万Vといえばカミナリにも匹敵する強さ!この刺激がキューティクルを破壊する恐れがあるのです。
その結果、髪の乾燥がさらに進行し、静電気が起こりやすくなるという悪循環に…。
この乾燥スパイラルに陥ってしまうと、キューティクルが傷つき髪のダメージが進んでしまうので、ただちに潤いケアを始めることが大切です。
髪が乾燥する原因とは?
髪の乾燥には、季節性や生活環境に加え、間違ったシャンプーやヘアケア方法なども影響します。
生活習慣に髪の乾燥を招く原因がないか、まずは身の回りからチェックしてみましょう。
季節性の乾燥
気温と湿度が下がる冬は、全身から水分が奪われやすくなる季節です。特に髪は露出している部分なので、季節による湿度の変化がダイレクトに影響します。
髪は湿度が60%以下でパサつき始め、頭皮は湿度50%以下で乾燥し始めます。冬の東京の湿度は平均で60%前後なので、この時期の乾燥は避けられません。空気が乾燥すると静電気も起りやすくなるので、冬は髪のダメージが進みやすいのです。
空調の影響
空調のある部屋も空気が乾燥しやすいので、髪の乾燥が進みやすくなります。
快適な湿度の目安は40~60%とされているので、空調がきいているほとんどの空間は髪を乾燥させやすい環境になっている可能性も!
紫外線ダメージ
紫外線は美肌の大敵ですが、実は髪にも大きなダメージを与えるので、季節を問わず対策すべきです。
紫外線を浴びると髪の主成分であるタンパク質が変質して柔軟性が失われ、キューティクルが剥がれやすくなります。その結果、水分が蒸発し、髪がパサつく原因になることも。
間違ったシャンプー&ヘアケア
基本のヘアケアが間違っていて、髪の乾燥を招いている可能性も。
シャンプーの泡立ちが不十分なまま髪を洗うと、髪がこすれ合ってキューティクルが傷つきやすくなります。キューティクルが剥がれた部分からは、水分が逃げやすくなるので要注意!
また、シャンプー後はタオルでゴシゴシ拭いたり、濡れた状態で自然乾燥を待つのもNG。濡れた髪はとてもデリケートなので、少しの刺激がキューティクルを破壊する原因に。
髪に潤いを与えるこだわりのヘアケア
髪の潤い補給には、スキンケアと同じように保湿成分を配合したシャンプーやヘアケア製品の使用がおすすめです。ダメージを受けた髪は自力で修復できないので、足りない成分は補う必要があります。
保湿成分配合シャンプー
濡れた状態の髪は、とてもデリケートな半面、キューティクルが柔らかくなっているので、栄養や保湿成分が浸透しやすいのもこのタイミングです。
保湿成分であるヒアルロン酸を配合したシャンプーなら、洗うのと同時に髪に保湿成分も補給できます。シャンプーはしっかり泡立てて、髪の摩擦対策も忘れずに!
アウトバストリートメント
洗顔後に化粧水や乳液で肌を整えるように、シャンプー後は髪にも潤いケアをすることが大切です。髪が濡れているうちに、保湿成分配合のアウトバストリートメントやエッセンスをつけて髪に潤いを浸透させましょう。
保湿成分のヒアルロン酸や保水力アップに役立つ、アミノ酸配合のタイプがおすすめです。
ドライヤーでの乾かし方
ドライヤーで乾かす時のポイントは、大きく3つです。
- 髪の根元から乾かす:毛先から風をあてると、乾かしすぎで乾燥を招きやすくなります。
- 頭から20センチ以上離す:温風で髪が熱くなりすぎないように気を付けましょう。
- 仕上げは冷風:美しい髪のためには冬でも大事なケアです。
ヘアブラシ
静電気のダメージを抑えるためにこだわりたいのが、ヘアブラシです。おすすめはイノシシの毛を使った木製のヘアブラシ。イノシシの毛にも天然木にも適度な油分と水分が含まれているので、静電気を抑える効果が期待できます。
さらに、イノシシの毛は弾力がありしっかりしているので、髪の根元までブラッシングができるうえに、キューティクルを整えて乾燥しにくい髪に導いてくれます。
まとめ:髪の潤いケアを習慣に
髪は常に露出しているので、外気の影響を受けやすいパーツです。特に空気が乾燥する冬はダメージを受けやすいので、髪の潤いケアを入念に行いましょう。
スキンケアが日々のお手入れの積み重ねであるように、髪の潤いケアも日々の習慣にすることが大切です。肌をいたわるように、髪にも保湿成分で潤いを補給しましょう。