くせ毛や縮れ毛が悩みの方にとって縮毛矯正は気になる施術なのではないでしょうか。一見、縮毛矯正は魅力的に見えますが、縮毛矯正は髪の毛を無理にまっすぐにする施術。縮毛矯正は使用する薬剤の強さと施術でヘアアイロンを使うことから、髪にとって負担が大きいと言われています。今回は、縮毛矯正のメリットやデメリット、他の施術方法との違いなどについて詳しく解説していきます。しっかり理解した上で、施術を行うかどうか検討してみましょう。
縮毛矯正とは?
縮毛矯正は、くせ毛や縮れた髪の毛をまっすぐな状態に固定する技術です。どんなに強いくせ毛でもまっすぐになり、施術した部分については半永久的に髪がストレートになると言われています。縮毛矯正は縮れ毛やくせ毛などの悩みから開放されますが、矯正力が強いため髪の毛へのダメージはかなり大きくなります。
縮毛矯正でなぜ髪の毛がまっすぐになる?
縮毛矯正で髪がまっすぐになる理由は、縮毛矯正の仕組みにあります。縮毛矯正の施術工程とともに、縮毛矯正の仕組みを解説します。
縮毛矯正の工程と仕組み
縮毛矯正には大きく分けて3つの工程があります。
①1剤を塗る
髪の毛を構成しているたんぱく質の結合を切る薬剤
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②アイロンを使って髪の毛を伸ばす
1剤により切れたタンパク質に熱を加えると、施術した部分がストレートになる
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③2剤を塗る
1剤で切ったタンパク質を再結合させる薬剤
髪の毛のタンパク質の結合がズレていることで、髪の毛がうねるなどのくせがでます。
しかし縮毛矯正は、特殊な薬剤とヘアアイロンを使用することで、半永久的なストレートヘアを実現することができます。
ストレートパーマとの違い
ストレートパーマも髪の毛をまっすぐにする施術方法ですが、ストレートパーマは縮毛矯正とは違い、ヘアアイロンを使用しません。ストレートパーマは縮毛矯正と違い、ヘアアイロンではなくコームで髪をまっすぐにします。ストレートパーマは縮毛矯正と違い、通常は熱を加えません。したがって、髪をまっすぐにする効果は縮毛矯正より高くありません。強いくせ毛や縮れ毛などがある方は、ストレートパーマよりも縮毛矯正の方が、効果が発揮されます。
縮毛矯正のメリット
髪に強いくせが出る方にとって、縮毛矯正はやってみたい施術なのではないでしょうか。ダメージがあるとはわかっていても、やはりサラサラとしたストレートな髪の毛は憧れますよね。縮毛矯正のメリットを解説していきます。
半永久的にストレートが維持できる
縮毛矯正は、施術した部分が「半永久的にストレート」を維持できるメリットがあります。薬剤でタンパク質の結合を切り、アイロンを当て、再度薬剤でタンパク質を結合する施術方法は、くせ毛の特徴であるタンパク質のズレを起こせないほど強い施術です。
スタイリング時間の短縮
強いくせをまっすぐにするために、ドライヤーやアイロンを使い時間をかけてスタイリングされている方も多いのではないでしょうか。縮毛矯正により髪のボリュームを抑えられ、ストレートにする手間を省くことができるため、スタイリングにかけていた時間を短縮することができます。
強いくせ毛への効果も大
くせ毛はタンパク質がズレることで発生します。縮毛矯正は、施術した部分のタンパク質が再びズレを起こすことができないほどの強い施術です。そのため、縮れ毛のような強いくせのある髪質の方でも、縮毛矯正によりストレートヘアを実現させることができます。
縮毛矯正のデメリット
縮毛矯正の施術を美容院で相談した際「髪が傷む」「髪が巻けなくなる」からと、縮毛矯正を考え直すように言われた経験はありませんか?縮毛矯正は髪が半永久的にストレートになる反面、デメリットもあります。後悔しないためにもデメリットも理解した上で施術を行いましょう。
生えてきた根元の髪の毛が気になる
縮毛矯正は、施術した部分は半永久的にストレートを維持できます。しかし新しく伸びてくる髪の毛の根元部分は、縮毛矯正をおこなっていないため、くせがありますよね。したがって、1か月もすると根元のうねりが気になってきます。ストレートを維持するためには、定期的な施術が必要となります。
美容師の技術力で仕上がりに差がでる
実は、縮毛矯正は施術メニューの中でも技術力を必要とします。そのため、施術を行う美容師の経験や知識によって、同じ縮毛矯正でも、仕上がりに差が出ることがあります。また、髪の毛が必要以上に傷んでしまい、ストレートになるはずが縮れ毛のような状態になってしまう場合もあります。
髪の毛への負担が大きい
縮毛矯正は、強く出るくせ毛を、強い薬剤とヘアアイロンを使って強制的にストレートにする施術です。強い薬剤とヘアアイロンの熱は髪の毛に大きなダメージを与えます。縮毛矯正をかけた髪の毛は、見た目はサラサラのストレートヘアですが、切れ毛や枝毛などのトラブルが起こってしまうほど脆くなっています。元々髪の毛が傷んでいるケースでは、さらに傷みが進行します。
パーマやアイロンによるヘアアレンジが難しい
縮毛矯正は、薬剤と高温のアイロンを使ってストレートにしています。同じくタンパク質の変形を利用して作られるパーマは、縮毛矯正をした髪の毛には施術してもウェーブがでにくくなります。アイロンを使った巻き髪も同様に、思うようなウェーブは出ません。ヘアスタイルを色々楽しみたいという方に縮毛矯正はおすすめできません。
縮毛矯正にかかる費用
美容室や、髪の毛の長さ、状態によっても異なりますが、縮毛矯正にかかる費用は高額になることが多い傾向にあります。高度な技術を要し、施術にかかる時間も長くなります。その分、人員を割くことにもなるため、縮毛矯正の施術料金は高めに設定されています。高いから良い、安いからダメということではありませんが、定期的に行わなくてはいけない事を考えると、縮毛矯正をはじめる際には十分検討が必要だと言えます。
縮毛矯正後のヘアケア方法
施術後の髪の毛は髪内部のタンパク質が不安定な状態であるため、施術当日はシャンプーは行わないようにしましょう。縮毛矯正は髪にとって負担の大きい施術です。縮毛矯正後のデリケートな髪は特に、髪の毛への負担が少ない方法でケアを行うことが大切です。
1.シャンプーを見直す
シャンプーに含まれている成分に注目しましょう。髪の毛は本来弱酸性ですが、縮毛矯正で薬剤を使用することにより、アルカリ度が高くなります。頭皮や髪のアルカリ度が高いほど、髪や頭皮はダメージを受けていると言われています。弱酸性に戻してくれるアミノ酸が主成分のシャンプーを選ぶようにしましょう。
2.摩擦に気を付ける
縮毛矯正後の髪の毛は、デリケートです。ブラシで髪の毛を力強く引っ張ることで、摩擦が起き、切れ毛が発生することがあります。ブラッシング以外にも、お風呂上りの髪の毛は摩擦が起きやすいです。髪の毛は濡れていると、髪をコーティングしているキューティクルが開いてしまいます。キューティクルが開いている状態で摩擦が起きると、キューティクルが剥がれたり、髪内部に直接ダメージが届いてしまいます。タオルドライをする時は、摩擦が起きないようにタオルで髪をはさむようにしてやさしく水分を拭き取りましょう。
縮毛矯正で後悔しないために
強いくせ毛の方、縮れ毛に悩まされている方にとって縮毛矯正はとても魅力的。メリットに比べて、デメリットが多いのも縮毛矯正です。一度施術してしまうと、元に戻すことはできません。髪の毛を切るか、伸びてくるのを待つしか対処法がありません。本当に縮毛矯正が必要な状態でしょうか?毎日のヘアケアを見直すことで、くせ毛が落ち着いてくるケースもあります。縮毛矯正は、他の施術に加えて長期的なメンテナンスが必要な施術です。毎回のメンテナンスにはまとまった時間や費用も必要となります。メリットとデメリットをしっかり理解した上で検討することをおすすめします。